呼称と記号
2021.06.15 Wire Rope
ロープは、構成、より方、より方向、裸・めっきの別、ロープグリースの種類、直径、種別又は破断荷重、長さ及び条数(丸数)で表します。一般的には、下のように表現しています。
①構成
(1)心の種類 ストランド数 × (2)ストランドのより方記号 1ストランド中の素線数 で表示する。
(1)心の種類
心の種類 | 記号 | 備考 |
繊維心 | 通常は表示しない | 下記、表示例 ①、②参照 |
ストランド心 | 通常は表示しない | 心ストランドが本体ロープのストランド構成と異なる場合は、その構成を表示するが(下記、表示例 ③参照)、同構成の場合は、IWSCと表示する代わりに「ストランド数」欄を“本体ロープのストランド数+1”で表してもよい(下記、表示例 ④参照) |
ロープ心 | IWRC(心ロープの構成)又は CFRC(心ロープの構成) | 心ロープが7×7以外の場合は、その構成を併記するが(表示例 ⑤参照)、心ロープが7×7の場合は、()内の心ロープの構成は省略してもよい(表示例 ⑥参照)。 |
(2)ストランドのより方記号
より方 | 交差より | 平行より | |||||
記号 | 一般 | フラット形 | シール形 | ウォーリントン形 | フィラー形 | ウォーリントンシール | セミシール |
表示しない | F | S | W | Fi | WS | SeS |
(注)1ストランド中の素線数は合計を表示するが、フラット形ロープの三角ストランドロープに限って、分解して表示する(表示例 ⑦参照)。
表示例
①6×7、6×19、6×24、6×37
②8×S(19)、6×WS(36)
③WS(36)+8×S(19)
④IWSC6×37→37+6×37→7×37
⑤IWRC(6×19)8×WS(36)
⑥IWRC(7×7)6×Fi(25)→IWRC6×Fi(25)
⑦6×F[(3×2+3)12+12]
②より方など
より方、より方向、めっきの有無及びロープグリースの種類については、下表のように略記する。
めっきの有無 | より方 | 普通より | ラングより | ||||||
Zより | Sより | Zより | Sより | ||||||
グリースの種類 | 赤 | 黒 | 赤 | 黒 | 赤 | 黒 | 赤 | 黒 | |
裸 | O/O | C/O | O/S | C/S | O/L | C/L | O/LS | C/LS | |
めっき | G/O | GC/O | G/S | GC/S | G/L | GC/L | G/LS | GC/LS |
(注)
1.より方 :ラングよりはLで、普通よりはOで表す。
2.より方向:Zよりの場合は表示せず、Sよりの場合のみSで表す。
3.めっきの有無:裸の場合は表示せず、めっきの場合のみGで表す。
4.ロープグリースの種類:黒ロープグリースはC、赤ロープグリースはOで表す。ただし、めっきロープの場合はOを省略する。
③種別
E種、G種、A種、B種、特種又は破断荷重kNであらわす。
④ロープ径
ロープ径はmmで表す。
⑤長さ
1条(1丸)の長さはmで表す。
⑥ロープの表示例
Ⅰ 19本線6より、普通Zより、裸、赤ロープグリース、A種、ロープ径20mm、長さ500m、2丸は、6×19 O/O 20mm A種 500m×2
Ⅱ 37本線6より、普通Zより、めっき、赤ロープグリース、G種、ロープ径16mm、長さ200m、5丸は、6×37 G/O 16mm G種 200m×5
Ⅲ フィラー形29本線6より、ロープ心入り、ラングSより、めっき、黒ロープグリース、B種、ロープ径30mm、長さ1,500m、1丸は、IWRC6×Fi(29) GC/LS 30mm B種 1,500m
資料協力:東京製綱株式会社