キンク・形くずれ
2021.06.15 Wire Rope
キンクの発生過程
ロープを解いているときや引延し中に、上の図(1)のような輪ができたら、作業を中止して、これを直してから作業を再開してください。
そのままにして作業をしますと、(2)、(3)、(4)のようなキンクとなり、それを直しても(5)のようになり、元通りにはなりません。
ロープにキンクが生じる原因は、このようにロープの解き方が悪い場合のほかに、次の場合がありますので十分注意してください。
- ロープがしごかれて、よりの長さ(ピッチ)が変化した場合。
- ロープを一旦地面上に環状に解いたのちドラムに巻き取るために、横引きした場合。
キンクはロープの形くずれの最悪状態で、ロープの致命傷です。
一旦キンクが生じますとその損傷は永久的で、外観は直ったように見えてもそこが弱点になってロープは早く傷んできます。
キンクした部分とこれを直した部分とを引張試験した結果を下表に示します。
形くずれの例
ヘルクレスロープ、ナフレックスロープ、タフナフレックスロープなどのように内層と外層とが反対方向によってあるロープを解く場合には、特に注意が必要です。
ロープによりが入れば、上左図のように下層ロープが飛出し、またよりが戻れば(2)のようにかご状になり、ストランドが浮き上がります。
したがって、よりが狂わないように取付作業時に注意して下さい。またロープ心入りやストランド心入りロープの取扱いも、上記に準じて注意してください。