玉掛索の取扱上の注意【⑪〜⑳】
2021.06.16 Wire Rope
玉掛索はロープスリングとも呼ばれ、物をつり上げるときに用いられますが、物を固定するときに用いる台付索と異なって、加工するときの差し回数、差し方がクレーン等安全規則第219条に規定されています。
玉掛索と台付索とは混同されがちですが、明確に区別して取り扱って下さい。
なお、玉掛索に関する日本工業規格としてはJIS B 8817(ワイヤロープスリング)があります。
クレーンやホイストなどで、玉掛索を用いて重量物をつり上げるときは、次の点について特に注意して事故の発生防止に心掛けてください。
一般的注意事項
⑪玉掛索の使用に際しては、製品ラベル等によりロープ構成、ロープ径、破断荷重又は種別を確認して下さい。
間違った玉掛索を使用すると、強度不足等により事故発生の恐れがあります。
⑫圧縮止め玉掛索の場合、アイ部の開き角度は60°を超えないようにして下さい。
無理に大きなフックやピンを入れると、合金管が割れます。
⑬圧縮止め玉掛索の場合、締結部をつり荷のエッヂ等に当てないようにして下さい。
締結効率が低下し、抜ける恐れがあります。
⑭酸やアルカリの腐食雰囲気や100℃を超える高温雰囲気では、使用しないで下さい。
腐食、熱影響等により、強度が低下し危険です。
⑮玉掛索を鋭い角で曲げないようにして下さい。
必要な場合は当て物をして下さい。
⑯急激な衝撃荷重がかからないようにして下さい。
玉掛索は、消耗品です。必ず保守及び日常点検、定期点検を実施し、損傷の程度を常に把握して使用して下さい。
点検項目 | 点検の種類 | 点検方法 | |
日常 | 定期 | ||
(1)断線 | ○ | ○ | 目視 |
(2)磨耗 | ○ | ○ | 目視 |
(3)腐食 | ○ | ○ | 目視 |
(4)形くずれ | ○ | ○ | 目視 |
(5)電磁又は熱影響 | ○ | ○ | 目視 |
(6)塗油の状態 | ○ | ○ | 目視 |
(7)アイ部、圧縮止め部 | ○ | ○ | 目視 |
⑰玉掛索のアイスプライス部は、素線のひげが出ています。
直接手で触れないで下さい。
怪我をし危険です。
⑱玉掛索のアイ圧縮部は、ロープの端部が出ています。
直接手で触れないで下さい。
怪我をし危険です。
⑲ロープには、ロープグリースを塗布しています。
つり荷や衣類等の汚れに注意して下さい。
⑳玉掛索は、電気溶接作業時等でスパークさせないで下さい。
強度が低下し危険です。